こわい?いえいえ、頼もしい神の蛇さんなのだよ…2025年は巳年ですね
毎年douzoでは干支にちなんだイラストをイタリア雑貨屋らしく「西洋風」にアレンジして、はんことカレンダーの表紙にしています。
2025年は巳年ということで、さがしてきました、西洋の蛇さん。
こちら、ギリシャ神話に登場するアスクレピオスという医神の相棒の蛇杖です。
アスクレピオスは、全知全能の神ゼウスの子であるアポロン神と人間の女性であるプレギュアス王の娘コロニスとの間の子です。
しかし、その生まれは複雑で…
コロニスはアポロン神の子を身籠りながらも違う人と結婚(勘違い説有り)、それに怒ったアポロン神は、双子の姉である狩猟の神アルテミスに頼み、なんとコロニスを殺してしまいます。
(ギリシャ神話って本当にはちゃめちゃですよねwww)
母は死んでしまいましたが、胎内から救出された赤子、アスクレピオスはその後、ケンタウロスのケイロンに預けられ医術を学びます。
ー脱線しますが、ケイロンはよき教育者のシンボル。
先日訪れた<デ・キリコ展>ではジョルジオ(デ・キリコ)にそっくりな弟の肖像画があり、その背後にはケイロンが描かれていました。というのも、父亡き後に弟の教育係をになったのは兄であるジョルジオであり、その自負からケイロンに自らを投影している…かもしれない、とのこと。
なんちゅうナルシスとちょっと思ってしまったけど、そうやって表現者は自らを誇示したくなるのも理解はできます。そして兄弟二人とも、ミスタービーンよりのドヤ顔なのよ…デ・キリコのミステリアスな絵画イメージから、神経質そうな線の細い顔を予想していたので、色々と印象深い絵でした。
ーはい、たっぷり脱線しました。
そして医学を学んだアスクレピオスは優れた腕でたくさんの人を救います。
そしてなんと、アテナ神からもらったメデューサの血液を使って、死んだ人間を蘇らせるところまで進んでしまい…
これに黙っていられなかったのが、冥界の王ハデス。「このままでは人間を神と同じ不滅にするのではないか、それは秩序を著しく乱すことにならまいか。」と激怒して、(ハデスの)兄弟であるゼウスに相談。(ハデスは仕事熱心らしい)
ゼウスはそれならば、とアスクレピオスを雷で撃ち殺してしまいます。
しかし、世界を救ってきたアスクレピオスの功績は誰もが認めるものでした。
そこで死後、アスクレピオスを天界に上げ、神の一員に昇格させ、お供の蛇と共に蛇遣い座となったそうです。
ではなぜ蛇なのか?
諸説あるそうですが、蛇の髪の毛のメデューサの血液を蘇生に使ったから、だとか、蛇が薬草で仲間を蘇生するのを目の当たりにしたから、とか…
また、生まれ変わったかのように脱皮することからも治癒と再生のシンボルとされていたこともあるのでしょう。
そしてなんとこのアスクレピオスの蛇杖は記号まであるのですよ!!!!
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見つけた時、かなり感動しました。
アスクレピオスの蛇杖は、それほど人々の歴史に深く根付いている、ということを物語っていますね。
2025年は巳年、恐れられることも多い蛇ですが、日本では蛇の抜け殻は縁起が良いとされたり、いろいろと人々の思惑を巻き込んだ、魅惑の存在ともいえるかもしれませんね。
Cosa coinvolgi?
2025年、あなたは何を巻き込みますか?