カレンダーのお話

2024

2 Febbraio

La storia di Febbraio
Farfalla dell’amore

愛の蝶々

2月のイタリアといえば、ベネチアのカーニバル。私は10年前にふらりと1人で出向きました。その前後にチェコとオーストリアに友人を訪ねにバス旅したなぁ。
ベネチアのカーニバルは世界的にも有名ですよね。まるで中世のような豪奢な仮装をして、妖艶なポーズを取る人々に1人埋もれていると、とても不思議な気分になりました。
その渦中に見つけた、煌びやかな蝶々さん。
どこか儚げな感じがして、プッチーニの蝶々夫人を思い出しました。あれは愛への憧れと、厳しい現実のお話。

そして、もうすぐバレンタイン!
当店ではフィレンツェの小箱お買い上げの方に、イタリアの小菓子詰め放題イベント行っています。
女性から男性だけでなく、イタリアや欧米のように男性から女性へプレゼントなんかもいいんじゃないでしょうか?

カレンダー裏面は
I film mi sono piaciuti/ Voglio vedere
「気に入った映画/観たい映画」
毎年この時期は家に籠ってよく映画観てます。最近のお気に入りはこんな感じ!皆様の好きな映画も是非是非教えてください〜

1 Gennaio

La storia di Gennaio
Sempre qui

いつもここに

こちらはフィレンツェのミケランジェロ広場からの景色。この広場が有名なのは、アルノ川の向こうにドゥオモをはじめとした赤い屋根たちがずらっと並ぶ景色ですが、左を向くとこの景色が。古い壁跡などがそのまま残り、世界的観光都市のすぐそこにこんな牧歌的な風景が広がっているのです。
こちらは留学していた2014年の元日に撮影したもの。実に10年前ですが、何百年と前から変わらないであろう景色、いつもここにあるものへの憧れと郷愁を込めて。

裏面は
I 10 buoni propositi per l’anno nuovo
新年のための10の抱負

みなさんは何ですか?私は
Andare a letto con le galline と書きました。
直訳すると雌鶏と一緒にベッドに入る、つまり、早寝するという慣用句です。

お正月モードから次は十日戎で色んな兼ね合いがあり、楽しかったもののなかなか新年&フレッシュ新生活とはいけない今日この頃だけども…新年の抱負はまずは早寝早起き!!今年こそは健康な生活を送りたいと切に願う店主です。いつも元気な人羨ましい〜!
ここから切り替えて、、と今日は張り切ってお弁当作りました!二つ目は「お弁当作り習慣にする」かな?
体の調子って本当に一日、一週間、一か月、そして一生に関わりますよね〜!

みなさんはどうやって規則正しく健康的な生活を保ってるか、ぜひぜひ教えてください〜♪

2023

12 Decembre

La storia di Dicembre
12月 カレンダーのお話

Le vie del Presepe
プレゼーぺの道

プレゼーぺ、プレゼピオとは、イエス・キリスト生誕シーンを再現したもの。
イタリアはさすがカトリックの国、この時期になると各地でプレゼーぺが披露されます。
それはお家で作るミニチュアサイズから、人間大の人形まで様々。
これはグッビオという、ペルージャ近くの街の山世界一大きなツリーがあると聞いて出向いた際、そのふもとに見つけたもの。なんたって、本当に街ごとプレゼーぺで度肝を抜かれましたから。このカレンダーの写真ももちろん人間大。本来のツリーよりも、こちらに夢中になりました。

プレゼーぺ


その時の話を昔のブログでまとめていました。なんだか小っ恥ずかしいけど、こちらにリンク貼っておくのでよかったらどうぞ。
また、その時の話をツリー型のクリスマスはんこの小冊子にも書いています。

クリスマス はんこ イタリア語

11 Novembre

La storia di Novembre
11月 カレンダーのお話

“Forzaaa!!!””Daaaai!!!””Braveeee!!”

留学中に、友人の友人がフィレンツェのサッカーチーム、フィオレンティーナ女子チームに入っているということで一緒に見学させてもらいました。
そこにいたのは熱心に応援するおっちゃん。
選手の動きに一喜一憂、力いっぱい叫んでいました。
Forza(がんばれ)やDaai(いけーっ!みたいな掛け声)はどの競技でもよく叫ばれる言葉。そして女性系複数だからBraveなのね、と生きた見本を聞かされ妙に嬉しかったイタリア語勉強中のあの頃。

イタリアは本当に地元愛が強いお国柄。特にサッカーとなれば血が湧き立つ人たち。だけどそういえば、日本で言うと阪神ファンが全国にいる感じだなと納得したここ最近。
阪神タイガース日本一おめでとう!
関西ダービー、両球団とも一歩も引かぬ、手に汗握る、いい試合でしたね!その熱気を帰国して早々に浴びれて関西人でよかったと思いましたとさ。来年から本気で阪神追おうと誓いました。やっぱり野球オモロい!

怒涛の買付旅行からの再オープン、やっと色々と整ってきました!お店お休み中に色々と準備してました。
イタリア買付ホヤホヤ新商品も続々です!
こちら背景の布ものは、フィレンツェの布屋さんで仕入れてきました!トスカーナらしい、どこか牧歌的なデザインがおうちに楽しみをもたらします。お皿拭きが本来の目的ですが、マルチカバーとしても、キッチンやトイレのお手拭きタオルとしてもBene!!
他にも色々デザインあります。

10 Ottobre

La storia di Ottobre
10月 カレンダーのお話

“Anche quest’anno siamo riusciti a festeggiare.”
今年も祭りが出来たね

こちらはフィレンツェの奥地、Marradiに栗の収穫祭に行った際の写真。街にはありとあらゆる栗の屋台が並び小さな町が栗一色でした。そんななか焼き栗のドラム缶の前で肩を組んで見守るおじさんたちの友情にほっこりパシャリとしました。
祭りって、一年に一回で、いろんなことがあったけどみんなで祝おうぜ、という機会。やっぱり人間には必要な歓びだなぁと感じますよね。秋には栗やトリュフ、カボチャなどいろんな秋の味覚の収穫祭がそこかしこで。
今回の旅でもどこか行けるかなと思ったけど、超マッスル旅だったので叶わず…また次の機会にと思います!

09 Settembre

La storia di Settmbre
9月 カレンダーのお話

“Romeo Romeo… eccolo!”
ロメオ ロメオ…あ、いた!

9月はわたしのイタリアでの定宿主のレティチアと飼い猫。レティチアは留学時代からお世話になっていて、まさにこの部屋に住ませてもらっていました。
彼女のセンスは本当に抜群で、個性的なチョイスだけど暑苦しくない、そんなバランス感覚に溢れた家でした。
また、多言語を話せる彼女は言葉のセンスも良くて、イタリア語の粋な言葉遣いも学んだなぁ。
猫とずっと暮らしていて、かなり甘やかしていましたね
“Eccolo”は好きな言葉の一つ。
Eccoは”ここ、こちら”といったニュアンスで、そのあとに男性系のloがついたら英語で言うHere he is! みたいなかんじ。見つけた!という喜びを含んでそうな軽い言葉の音が好きなんです。

本人に許可取らず、カレンダーにしちゃったので今からメールしておきます。
だって、日本のみんなに紹介したかったんだもんね!

後ろに映ってるのは古道具屋さんで見つけたタオル掛けです。

裏面はLa mia moda recente(最近の気分)
最近の気分はCreazione クリエーションと musei 美術館。
写真や絵を撮ったり描いたり、デザインしたり、美術館に行ったり、とにかくそんな気分です。個人アカウントでもたまに写真あげてます。
@npanashi

余談ですが、今日出勤前にズボンにソースをこぼし、ご近所のジャンのところに駆け込んだら「すぐ取った方がいいよ」と、熱いお湯とタオルを貸してくれました。しかもエスプレッソ付き☕️そのあと「もうおしっこしないでね」と送り出されました
ほんまにご近所さんに恵まれてます殺
Grazie bello❣️

08 Agosto

La storia di Agosto
8月 カレンダーのお話
Senza mare…è male

海なしなんて…ダメ

留学したての時、学生ツアーで行ったチンクエテッレの海。最高でした。
夏にはイタリアのどこのビーチサイトにも、それぞれのお店のカラフルなパラソルが綺麗に並んでいてそれを見るだけでもワクワク。
買付を始めてからは、車で通りかかったフリーのビーチで泳ぎまくりました。
イタリア人にとって、夏に海に行かないということは夏をしてないということ。
日焼けした肌を自慢するのが夏を楽しんだ証です。
美白を良しとする日本とは真逆の考えですよね。

かくいう私も海で琵琶湖で泳ぎまくり、背中の皮が剥けました。もちろん、自慢します。
近所のイタリアン、piccolo mondoのジャンに会ったら、「めっちゃ焼けてるね!いいね!僕の腕と比べてみて」とお互い腕を突き合わせ、「cappuccino」と笑うのが毎年恒例となりました。(ジャンは頑張っても黒く焼けないらしい)

ということで、裏面のCosa mi sono goduto/aは「楽しかったこと」
早速、書きましたよ!
皆さんは夏、楽しんでますか?

07 Luglio

La storia di Luglio
7月 カレンダーのお話

La storia di luglio
Ora da mangiare
食べる時間だよ

すっぽんぽんの赤ちゃんに、テーブルの上の脱いだ小さな小さな靴。
お姉ちゃんはママに何かを訴えて、パパはがっつき中?

テーブルの上にはお決まりのアペロール。子連れでも夕暮れ前の最高の一杯壟

なんともおおらかな家族風景、ああ、イタリアの夏。
留学したてでルームメイトとピサに観光した際に出会った光景。

めちゃくちゃイタリアが恋しくなる写真です。

Ora da 〇〇は個人的に好きな表現で、
「〇〇の時間!」とどこかはしゃいでる風に聞こえるのは私だけかなぁ?

裏面のprogramma dell’estateはズバリ
「夏の計画」
キャンプ!海!イタリア???
と真っ先に書きました✍️
みなさんの夏の計画はどんなかんじですか?

06 Giugno

La storia di Giugno
6月 カレンダーのお話

Riflessione di Gesù
イエスの反射

ここがどこかというと、フィレンツェのドゥオモ(大聖堂)のクーポラ(ドーム)を下から見上げた図です。
ドゥオモは上に登れるようになっていて、途中、この荘厳な天井画を結構近くで見れる回廊を通るんですよね。
その時、フェンスにステンドグラスが反射していて。
イエスキリストを降架したシーンにハッとしてシャッターを降ろしました。

裏面は
「覚えた言葉」
私はこの言葉を書きました。
La vita è troppo corta per bere vini cattivi.
“人生はまずいワインを飲むには短すぎる”

生きてると色々とありますが、要するに人生を味わって謳歌しろ、ということですね。
どうせ生きるなら、やりたいようにやる。
これに尽きますねぇ

これは滞在先のレティチアが教えてくれたか、記憶が定かではないですが…検索すると現代の食とワインの批評の基礎を築いたLuigi Veronelli氏の言葉のようですね。このフレーズはお土産物なんかでもたまに目にした気がします。

05 Maggio

La storia di Maggio
5月 カレンダーのお話

Medievale e Super Moderno
中世と超現代

オレンジの外壁が象徴的だった、Castelnuovo Magra(カステルヌオーボマグラ) 直訳すると新しい痩せた城。
リグーリアからトスカーナへ帰る途中Google map上でなんじゃこの変な名前の街?と気になり、立ち寄ることにした街。
ここのお城のような建物を改装したB&Bに泊まり、翌朝散歩していたらおじさんが歩いていました。
エッセルンガのエコバッグを提げて。中世の街並みと、現代の象徴が混じりあった風景にパシャリとしました。そしておじさんの背中がかわいかった。

当店でもこちらのエコバッグ取り扱いしていますが、大容量で機内用小型スーツケースくらいの大きさがあります

裏面は美味しかったもの/食べたいもの
最近何食べたっけとカメラロールを見ていたら、出てきました。
先日、実家に帰ったら父がカプレーゼを作ってくれたんです。娘と妻が、あまりにも忙しそうだからと。父が台所に立つのは20年ぶりくらいに見た気が!ちょっと感動しちゃったな!

皆さんが最近印象に残った食べ物はなんですか?

04 Aprile

La storia di Aprile
4月 カレンダーのお話

Il mio giardino segreto
私の秘密のお庭

douzoカレンダー4月の写真は、フィレンツェの郊外を歩いている時に見つけた公園。一面に花が咲いていて、まるで天国に来たかのような気分になりました。
イタリア人はよく「il mio 〇〇」と、気に入っているものとか場所とかにIl mio/la mia (英語のmy)を付ける気がします。私もその習慣が好きで、この公園を勝手に「私の庭」と名付けていました。
あと、フィレンツェの中心地から家に帰る道をil mio corridoio 「私の廊下」とかも勝手に名付けていたなぁ。
そうやって愛着を持てる場所があるのは、結構、日々のちょっとした幸せかもしれません。

今月のリストは
Cosa ho cominciato/ Voglio cominciare
「始めたこと/始めたいこと」
始まりの春、私はイタリア語ガイドの仕事を始めました。まだまだ慣れずにドギマギしますが、久しぶりに何時間もイタリア語を浴びて、細胞が活性化されている気がします。
イタリアの人たちが日本に来て、色々楽しんでいい思い出を持って帰って欲しいなぁと親心のようなものが芽生えています。もっと勉強しないとなっ!

03 Marzo

La storia di Marzo
3月 カレンダーのお話

Fiori di Mandorlo…??
アーモンドの花…??

フィレンツェを歩いていた時にふと目に止まったお花。
ちょうど3月に撮ったと思うのですが、この時、「え!イタリアでも梅かぁー!」と嬉しくなりました。
けど、よくよく考えたらこれは梅?桃?あ!イタリアだからアーモンド??それとも違う花?と数年越しに謎が深まるばかり。
皆さんはなんだと思いますか?

そういえば、現地のイタリア語学校に通っていた時春の花の話題になり、
「日本といえば桜だよ!」と誇らしげに発表したのですが、「え、それはアーモンドじゃないの?絶対春の花といえばアーモンド!!!!」とかなりのアーモンド推しをされました。
外国でも日本の桜は有名だと思っていたので、まさかのアーモンド推しにタジタジしたのはもう10年前の話。

イタリア語ボランティアガイドとしてこの春からお仕事をちょろりとさせてもらいますが、その時には胸を張って桜を案内出来たらなぁと思います。

裏面は、行きたいところ。
もちろん、私はITALIAと真っ先に書きましたよ!

02 Febbraio

La storia di Febbraio
2月 カレンダーのお話

“Ci vuole un’OMBRA”
「オンブラ」が必要だね

イタリアでの2月の思い出は、なんと言ってもベネチアのカーニバル。
くねくねと入り組んだ道を進んだかと思うとパッと現れる大きな広場、毛細血管のような運河にかかるアーチ橋、至る所で当時の貴族が現世に蘇ったかのような光景にシャッターが止まりませんでした。
その時の写真をまた探してみようかな。

そんななか、ベンチで休憩するカップルをパシャリ。壁にすっかりもたれかかりながらも、ポーズはしっかり決めてくれました。
けど、ちょっと疲れたのかな?こんなときは「オンブラ」が必要です。

Ombraとは、イタリア語で「陰」という意味。
昔々、14世紀にサンマルコ広場の塔のふもとででワインを出していたお店があり、そのお店は直射日光を避けワインの品質を保つため、塔の陰の動きに合わせて一日に何回も移動していたそう。
そこから、「日陰に飲みに行こう」が人々の合言葉になり、時代の変遷とともに「陰を飲みに行こう」となり、、、いつしかワインを「Ombra 陰」と言うようになったそう。

なんともロマンのあるお話。

そういえば、うちのじいじも昔、イワノスポーツ営業中に夕方くらいになると一升瓶を出してきて「さて、日暮じゃ」とお酒を呑みながら夜まで仕事をしていたなぁと、うちの母が言ってました。

イワノスポーツのお話は、色々思いがありすぎて後編まとまりきらず。けどもうイワノスポーツは今月いっぱいでおしまい。

ワインが陰で、日本酒が日暮。
大変な一日を乗り切るひとときの安らぎを、お酒に求める心はいつでもどこでも一緒なのですね。

裏面は「気に入った映画/観たい映画」皆さんは今年に入って何か映画を観ましたか?
私は先日投稿した「モリコーネ」のほかに、インド映画の「RRR」を観てきてどハマり中。もう一回観たい。
モリコーネでヒシヒシと感涙した翌週、インドのエネルギー爆発映画にアドレナリンが大量発生しました。
すごいちゃんぽん。

01 Grennaio

La storia di Gennaio
1月カレンダーのお話

“Dove è Michelangelo?”
ミケランジェロはどこ?

フィレンツェの観光名所、シニョーリア広場にミケランジェロの落書きがあることはあまり知られていない。
それは、ヴェッキオ宮殿の外側の石造りの壁に彫ってあるのだ。
何がかというと、男の横顔が。
彼は誰なのかというと、死刑囚だとか、ミケランジェロにお金を貸していた人だとか、諸説ある。
私が留学中に聞いたのは、この広場で集会があり、退屈したミケランジェロがノミで彫ったという話。
(もしかしたら広場の集まりは公開処刑だったかもしれない)
しかも驚くべきは、ミケランジェロは壁面を背にして、壁を見ずに後ろ手で感覚だけで見事な横顔を彫り上げたという。
どれだけミケランジェロがbravoだったのか、ということを訴えるためにも、この落書きはずっとひっそりと残されているのだ。
ミケランジェロが彫ったという歴史的根拠が無いにせよ、フィオレンティーナ達はそう信じている。

過去の写真を漁ったが、自分で撮ったものが見つからなかった。
心のどこかに留めておけば、ミケランジェロがまた呼んでくれるかもしれない。

一月の日々のリストはやっぱり「新年の抱負」

後記

お正月に実家に帰り、9年前にフィレンツェで年越しをした話に。母が撮った写真のアルバムを開くと、ありました、ミケランジェロの落書き。
これは吉兆、ミケランジェロが呼んでくれたから、もうすぐイタリアに行けるってことね!